解体工事の基礎知識

解体工事を行う際、何の知識もない状態で依頼する業者選定を行うと悪質な業者を選んでしまう可能性があります。
このようなトラブル発生リスクを避け、適切な価格で適切な工事を行ってもらうためにも、事前に最低限の基礎知識を身に着けておくことをおすすめします。

解体工事とは？

解体工事というと、「建物を取り壊す工事」という漠然としたイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし地上に見えている建物部分を取り壊すことのみが解体工事ではありません。
地中に埋まっている基礎部分を取り除くことや、解体後の土地が次の用途に使用できるよう平にならす整地も解体業者の仕事です。
建物に付随している門や塀、池などについても次の用途に適さないものであれば撤去し整地を行います。
基礎部分も含む建物の撤去に始まり、解体で出た廃棄物の処理や整地までが解体工事と考えます。

3種類の解体工事とは？

解体工事は一般的に、「内装解体」「外構解体」「建築物解体」の3つに大きく分けられます。
「内装解体」はテナントの入れ替え時などによく行われるもので、建物内部を解体して元の状態に戻す工事をいいます。
「外構解体」は塀やフェンスなどの建物外部に付随しているものを解体・撤去する工事で、「建築物解体」は文字通り建物ごと撤去を行う工事のことです。

解体工事の流れ

解体工事を行うにあたってまずしなければならないのは業者選定です。
電話やメールでのやりとりだけではなく、実際に現地も見てもらった上で見積りを提出してもらいましょう。
解体工事を依頼する業者が決まったら、大きな影響を与えることになる近隣住民へのあいさつ回りを施工前に行います。
業者によっては挨拶状などを作成し、あいさつ回りを行ってくれることもあります。
その後解体業者と依頼主が申請などの必要な手続きを行ったら着工になります。
前述の通り解体を行い、整地が完了した工事終了となります。

自社施工と他社施工の違い

解体工事を行う業者は、営業から施工までを一貫して自社で行う自社施工の業者と営業だけを行い施工は下請けに委託する他社施工の2通りに大別されます。
解体工事を実際に進めていく中でクレームなどのトラブルが発生した際、自社施工の業者であれば責任の所在が明確ですが他社施工だと曖昧な場合があります。
そういった意味では自社施工の解体工事業者の方が安心して任せられると言えるかもしれません。

また、他社施工の解体工事業者の場合、解体工事を下請けに完全に丸投げしてしまうような悪質な業者も存在します。
このような質の悪い業者はトラブル発生時などに責任を取るつもりが最初からないことが多く、実現不可能な施工計画を提示して契約を締結する場合もあります。
工事が進んでいく中で無理のある部分が発覚してしまうと、解体工事が滞り目的を達成できなくなってしまうため、必要最低限の知識は身に着けてから業者選定を慎重に行うことが重要というわけなのです。

マンションの解体工事について

マンションのような大規模な建築物における解体工事は、一戸建てと同じ要領で進めることはできません。
建物の規模が大きい分、周囲に与える影響も大きくなってしまうため、一戸建てよりも多くのポイントに注意を払いながら進める必要があるためです。

また、マンションの解体工事においては地中杭やアスベストなどにも配慮して進める必要があります。
解体工事の対象となる建築物の状態によっては建築工事にさまざまな制約があったり注意が必要な場合があります。

解体工事を依頼した業者が適切な解体工事を行わなかった場合、依頼した施主も責任を問われる恐れがあります。
そのためにも必要最低限の知識は事前に調べ身に着けておき、細心の注意を払いながら納得がいく業者選びを心がけるようにしましょう。

解体工事の流れ

一般的に、解体工事をする際には、工事予定日の三か月から四か月前には、準備を始めて置く必要があると言われています。「解体工事が始まる前」、「解体工事期間中」、「解体工事の後」のそれぞれの段階で、どのようなことに注意すれば良いのかついてあらかじめ理解を深めておくことで、工事予定日が近づいた際にも、慌てずに対応することが出来ます。こちらのページでは、業者選びのコツなどについても解説します。

解体工事の費用の目安

解体工事の費用は、建物の構造や立地、広さといった条件によって変わってきます。基本的には、木造建築の解体が一番安く、反対に、RC造建築の解体が最も高くなります。また、解体の工賃のほかにも、足場・養生の設置費用、工事車両の駐車料金、重機を使っての解体が難しく、職人が手作業で解体を行う場合の工賃など、さまざまな追加費用が発生することもあります。業者による見積の段階で、「どれくらいの追加予算がそこには含まれているのか」、「追加予算が発生するとしたらどれくらいなのか」について確認しておくことが大切です。

解体工事にまつわるトラブルとは？

解体工事を依頼した際に起きうるトラブルについてまとめています。

解体工事会社の選び方

解体工事には事故や不法投棄などのリスクが懸念されるほか、法外な費用を取られる可能性もあります。悪徳業者を見抜いて優良な会社を選ぶために、許可や登録の有無を確認しましょう。トラブルに備えて保険に加入しているかどうか、費用や契約内容を書面で詳細に説明しているかどうかにも注目です。また産業廃棄物の不法投棄を予防するためにマニフェストを発行しているか、担当者とのコミュニケーションはスムーズに行えるかといった点にも注意して業者を選びましょう。

解体工事の種類

解体工事と言っても、その種類は大まかに3つに分けられます。内装解体は建築物の主要な構造だけを残して、内部にあるそれら以外の全てを解体する工事を言います。内装解体は部分的に残して解体する原状回復と、すべて解体してしまうスケルトン工事の2種類に分けられます。建物の外側にある塀や門扉などの構造物を解体・撤去する工事は外構解体、マンションやアパートなどの建物を丸ごと解体してしまうのが建築物解体と呼ばれます。